どうしたら禁煙できるのでしょうか。
子どもの健やかな育ちのために禁煙できたらいいですよね。どうしたら禁煙できるかを知る前に、タバコが健康に与える影響について知りましょう。
Q:喫煙者本人への健康影響について教えて下さい。
A:喫煙が健康に及ぼす悪影響については、長い研究の歴史があり、今日においては多くの研究成果が蓄積しています。その結果、喫煙者に、がん、心臓病、脳卒中、肺気腫、喘息、歯周病等、特定の重要な疾病の罹患率や死亡率等が高いこと、及びこれらの疾病の原因と関連があることは多くの疫学研究等により指摘されています。
Q:妊娠中の喫煙は健康への影響はないのでしょうか?
A:喫煙は母体への影響だけでなく、胎児の発育に対する悪影響が懸念されます。喫煙している妊婦から生まれた赤ちゃんは喫煙していない妊婦から生まれた赤ちゃんに比べて低出生体重児となる頻度が約2倍高くなっています。さらに、喫煙している妊婦は喫煙していない妊婦に比べ、早産、自然流産、周産期死亡(妊娠28週以降の死産と、生後1週間以内の早期新生児死亡)の危険性が高くなっています。
Q:受動喫煙の影響についても知りたい!
A:たばこの煙による健康への悪影響は喫煙者本人にとどまりません。他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙についての健康影響は、流涙、頭痛などの症状だけでなく、肺がんや虚血性心疾患等の疾患の死亡率等が上昇したり、非喫煙妊婦でも低出生体重児の出産の発生率が上昇するといった研究結果が近年多く報告されています。小児では喘息、気管支炎といった呼吸器疾患等と関連があると報告されています。また、乳児では乳幼児突然死症候群と関連があると報告されています。
Q:依存性があるってホント?
A:たばこに依存性があることは確立した科学的知見となっています。依存の原因となる物質は、たばこ煙の成分に含まれるニコチンです。そして、ニコチン依存は世界的には独立した疾患として扱われています。
Q:依存ってなに?
A:依存とは、ある物をやめようと思っても強い渇望があり、やめられなくなった状態を言います。
たばこの成分であるニコチンによるニコチン依存は、国際疾病分類(ICD-10)や精神医学の分野で世界的に使用されている「精神障害者の診断及び統計マニュアル第4版」(DSM-IV)において独立した疾患として扱われており、たばこに依存性があることは確立した科学的知見となっています。
Q:未成年者の喫煙について
A:未成年者の喫煙は法律で禁止されています。たばこには依存性があり、喫煙開始年齢が低ければ低いほど健康への悪影響が大きく現れるという問題があります。
Q:どうしたら禁煙できるの?
A:自力での禁煙よりも医療機関を受診しての薬物療法、行動療法による禁煙をお勧めします。効果が実証されている薬物療法は、ニコチン置換療法(ガム、トローチ、パッチ、点鼻スプレー、口内吸入器)やブプロピオンを適切に組み合わせて行います。これらの科学的根拠が認められている医薬品を用いると、長期に禁煙できる確率が非常に高くなります。また行動療法にも効果があり、薬物療法の成功率を大幅に高めることができます。